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コホート分析とリテンションカーブの読み方

コホート分析は、ユーザーを共通の起点(登録した週や月)でグループ分けし、各グループを時間を追って追跡する手法です。リテンションカーブは、各期間にまだアクティブなコホートの割合をプロットしたものです。2つを組み合わせると、リテンションの本当の変化と、獲得チャネルの構成の変化とを切り分けられます。

更新日:7分で読めます執筆 fromHello

要点

  1. コホートはユーザーを共通の起点でグループ分けします。そのため、各グループの経過時間をそろえて同じ条件で比べられます。

  2. 安定した下限で平らになるリテンションカーブは、定着度のシグナルです。シグナルとして扱い、プロダクトマーケットフィットの証明とは考えないでください。

  3. N日リテンションと無期限リテンションは、答える問いが異なります。プロダクトの利用サイクルに合った方法を選んでください。

  4. コホートを使えば、プロダクトの変更がリテンションを動かしたのかを、獲得チャネルの構成の変化と切り離して確かめられます。

コホート分析とリテンションカーブとは

コホート分析は、ユーザーを共通の開始イベント(多くは登録した週や月)でグループ分けし、各グループを時間を追って追いかけます。リテンションカーブは1つのコホートを取り上げ、その起点から各期間(0週目、1週目、2週目…)にまだアクティブな割合をプロットします。何が起きているかは、その線の形が語ります。

コホートでリテンションと獲得構成を切り分けられる理由

アクティブユーザーの総数は、すべてのコホートを混ぜ合わせた数字です。そのため、新規登録の波がリテンションの問題を覆い隠すことがあります。同じユーザーを週次のコホートに分けると、各カーブが単独で読めるようになります。3月のコホートが8週目に40%残り、4月のコホートが28%しか残らないなら、両者の間で何かが変わっています。全体の数字では決して見えない差です。コホートが顧客セグメンテーションと組み合わせて使われるのもこのためです。プラン別、チャネル別、アクティベーションの経路別にリテンションを比べれば、本当に定着しているグループがわかります。Iterableのようなエンゲージメントプラットフォームがライフサイクルフローの配信対象を絞るのに使うのも、同じ切り口です。

リテンションカーブの読み方

見るべき点は3つです。最初の落ち込みの大きさ、線が曲がる位置、そして平らになるかどうか。ほぼすべてのプロダクトが、期間0から期間1の間に大きな割合を失います。これは普通のことです。重要なのは、減少が緩やかになって安定した下限に落ち着くのか、0に向かって下がり続けるのかです。平らにならないカーブは、どのコホートもいずれ全員が離れていくことを意味します。同じことを期間ごとの1つの数字で表す方法は、解約率の計算方法で解説しています。

健全なリテンションカーブ(W0〜W8は登録からの週数)。序盤に急に落ち込み、その後コホートの約3分の1で横ばいになります(強調部分)。シグナルは開始時の高さではなく、平らな後半部分です。

プロダクトマーケットフィットのシグナルとしての平らなカーブ

グロースの実務家は、水平な漸近線に向かって平らになるリテンションカーブを、定着度のシグナルとして扱います。Andrew Chenは、プロダクトマーケットフィットの大まかな目安の1つに平らになるコホートカーブを挙げており、Reforgeも「スマイル型か、平坦化か」という同じ捉え方を教えています。シグナルとして扱い、証明とは考えないでください。下限があるかどうかと同じくらい、その高さが重要です。3%で平らになるカーブが示すのは、ごく小さな熱心な中核層であって、健全なプロダクトではありません。また、平らになるカーブからわかるのは、あるグループが定着していることであって、その理由ではありません。それは調べるべき相関であり、証明された原因ではありません。

N日リテンションと無期限リテンション

方法N日目に継続とみなす条件向いている用途
N日リテンションちょうどN日目(またはその前後の決められた幅)にアクティブだった毎日または毎週の利用習慣があるプロダクト
無期限リテンションN日目かそれ以降のいずれかの日に戻ってきた利用が不定期なプロダクト。ツールによってはローリングリテンションと呼ぶ
期間指定(ブラケット)移動する期間内に1回以上アクティブだった利用頻度が低いときのノイズの平滑化

カーブの結果をどう生かすか

カーブが教えてくれるのは、どこを見るべきかであって、何を直すべきかではありません。序盤の急な落ち込みは、オンボーディングとアクティベーションを指しています。最初のセッションで、十分な速さで価値が届いていないということです。低い位置で平らになるカーブは、長期的な価値か、対象とする層の誤りを指しています。仮説が立ったら1つだけ変更し、次のコホートのカーブを前のコホートと比べます。ほぼすべてのリテンション実験で、測定の単位はコホートです。変更をリリースし、新しいコホートが時間を経るのを待ち、その下限が動いたかを読み取ります。

FAQ

よくある質問

  • コホートとセグメントの違いは何ですか?

    コホートは共通の開始時点で固定されます(たとえば、3月に登録した全員)。セグメントはルールであり、ユーザーは行動の変化に応じて出入りします。コホートは固定されたグループを時間を追って追跡するためのもの、セグメントは今まさにある状態にいるのが誰かを切り出すためのものです。

  • リテンションカーブを読むまでにどれくらい待つべきですか?

    カーブが平らになるか、明らかにそうならないかがわかる期間に届くまでです。週次のコホートなら6〜8週間が目安で、月次のコホートならさらに長くかかります。序盤の期間はノイズが大きく、見るべきは下限です。そして下限が現れるには時間がかかります。

  • どれくらいのリテンションの下限ならよいと言えますか?

    プロダクトの種類と利用サイクルによって大きく異なります。毎日使うアプリと四半期に一度使うB2Bツールでは、健全な下限がまったく違います。まずは自社の過去のコホートと比べてください。外部の数字は、出典を明記したうえで、大まかな参考としてのみ扱ってください。

  • N日リテンションと無期限リテンションのどちらを使うべきですか?

    プロダクトが本来どれくらいの頻度で使われるものかに合わせます。N日リテンションは毎日や毎週の利用習慣に、無期限リテンションは、長い間隔を空けて戻ってきたユーザーも継続として数えるべき不定期な利用に向いています。どちらかを選んで使い続ければ、コホート同士を比較できます。

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