コホート分析とリテンションカーブとは
コホート分析は、ユーザーを共通の開始イベント(多くは登録した週や月)でグループ分けし、各グループを時間を追って追いかけます。リテンションカーブは1つのコホートを取り上げ、その起点から各期間(0週目、1週目、2週目…)にまだアクティブな割合をプロットします。何が起きているかは、その線の形が語ります。
コホートでリテンションと獲得構成を切り分けられる理由
アクティブユーザーの総数は、すべてのコホートを混ぜ合わせた数字です。そのため、新規登録の波がリテンションの問題を覆い隠すことがあります。同じユーザーを週次のコホートに分けると、各カーブが単独で読めるようになります。3月のコホートが8週目に40%残り、4月のコホートが28%しか残らないなら、両者の間で何かが変わっています。全体の数字では決して見えない差です。コホートが顧客セグメンテーションと組み合わせて使われるのもこのためです。プラン別、チャネル別、アクティベーションの経路別にリテンションを比べれば、本当に定着しているグループがわかります。Iterableのようなエンゲージメントプラットフォームがライフサイクルフローの配信対象を絞るのに使うのも、同じ切り口です。
リテンションカーブの読み方
見るべき点は3つです。最初の落ち込みの大きさ、線が曲がる位置、そして平らになるかどうか。ほぼすべてのプロダクトが、期間0から期間1の間に大きな割合を失います。これは普通のことです。重要なのは、減少が緩やかになって安定した下限に落ち着くのか、0に向かって下がり続けるのかです。平らにならないカーブは、どのコホートもいずれ全員が離れていくことを意味します。同じことを期間ごとの1つの数字で表す方法は、解約率の計算方法で解説しています。
プロダクトマーケットフィットのシグナルとしての平らなカーブ
グロースの実務家は、水平な漸近線に向かって平らになるリテンションカーブを、定着度のシグナルとして扱います。Andrew Chenは、プロダクトマーケットフィットの大まかな目安の1つに平らになるコホートカーブを挙げており、Reforgeも「スマイル型か、平坦化か」という同じ捉え方を教えています。シグナルとして扱い、証明とは考えないでください。下限があるかどうかと同じくらい、その高さが重要です。3%で平らになるカーブが示すのは、ごく小さな熱心な中核層であって、健全なプロダクトではありません。また、平らになるカーブからわかるのは、あるグループが定着していることであって、その理由ではありません。それは調べるべき相関であり、証明された原因ではありません。
N日リテンションと無期限リテンション
| 方法 | N日目に継続とみなす条件 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| N日リテンション | ちょうどN日目(またはその前後の決められた幅)にアクティブだった | 毎日または毎週の利用習慣があるプロダクト |
| 無期限リテンション | N日目かそれ以降のいずれかの日に戻ってきた | 利用が不定期なプロダクト。ツールによってはローリングリテンションと呼ぶ |
| 期間指定(ブラケット) | 移動する期間内に1回以上アクティブだった | 利用頻度が低いときのノイズの平滑化 |
カーブの結果をどう生かすか
カーブが教えてくれるのは、どこを見るべきかであって、何を直すべきかではありません。序盤の急な落ち込みは、オンボーディングとアクティベーションを指しています。最初のセッションで、十分な速さで価値が届いていないということです。低い位置で平らになるカーブは、長期的な価値か、対象とする層の誤りを指しています。仮説が立ったら1つだけ変更し、次のコホートのカーブを前のコホートと比べます。ほぼすべてのリテンション実験で、測定の単位はコホートです。変更をリリースし、新しいコホートが時間を経るのを待ち、その下限が動いたかを読み取ります。