解約率はどう計算しますか?
計算式は1行で表せます。解約率=期間中に失った顧客数÷期間開始時の顧客数×100。1月を200社の顧客で始め、月末にその200社のうち190社がまだ支払いを続けていれば、月次解約率は10÷200=5%です。顧客数をMRRに置き換えれば、同じ式で収益解約率が出ます。期間の途中で獲得した顧客は分母に含めないでください。含めると数字がよく見え、傾向が隠れます。
顧客解約率と収益解約率の違いは?
顧客解約率はアカウントを数え、収益解約率は金額を数えます。スタータープランの顧客10社とエンタープライズのアカウント1社を失った場合、顧客解約率はこれを等しい11件の損失として扱います。どれが痛手だったかを示すのは収益解約率です。収益解約率はさらに、グロス(解約とダウングレードで失った収益)とネット(同じ数字からアップグレードによるアップセル収益を差し引いたもの)に分かれます。ネットの収益解約率はマイナスになることがあります。既存顧客の成長が離脱を上回っている状態で、多くのサブスクリプション事業が目指すのはここです。
非自発的解約とは?なぜ創業者は見落とすのか
自発的解約は判断です。顧客は製品を検討したうえで解約しました。非自発的解約は事故です。カードの有効期限が切れた、支払いが差し戻された、銀行が請求をブロックした、といったものです。決済リカバリーを販売するPaddleは、カード決済のサブスクリプションでは非自発的解約が解約全体のおよそ20〜40%を占めるとしています。ベンダーの数字なので目安として扱うべきですが、方向性ははっきりしています。対策も異なります。自発的解約は製品とライフサイクルの問題です。非自発的解約は請求の問題で、決済の再試行、カード情報の自動更新、督促メールで解決でき、製品の変更は必要ありません。
小さなチームにとってなぜ重要か
解約は複利で効いてきます。月次解約率が5%なら、新規登録のない製品は1年でおよそ半分の顧客を失います。解約率が1ポイント上がるごとに、現状を維持するためだけの獲得目標が上がるのです。2人のチームにとって妥当な順序は、まず非自発的解約を直し、次に自発的解約に向けてリテンションと休眠顧客の掘り起こしのフローをつくることです。顧客が実際にいつ離れているかはコホート分析で確かめ、離れると決める前にライフサイクルマーケティングで働きかけます。