CDPは実際に何をするのか?
カスタマーデータプラットフォームの仕事は3つです。あらゆるソースから顧客データを集め、1人につき1つの永続的なプロファイルに統合し、そのプロファイルを顧客にメッセージを送るツールへ送り込んで活用します。収集、統合、活用です。収集の段階はファーストパーティトラッキングと整ったトラッキングプランに支えられます。統合の段階では、デバイスやメールアドレスをまたいで同じ人物を1つのレコードに名寄せします。活用の段階では、下流のメール、SMS、プッシュ通知、広告プラットフォームにデータを渡します。どちらを買うかではなく、それぞれが何なのかというカテゴリー同士の比較は、CDPとCEPの違いをご覧ください。
- 収集:サイト、アプリ、バックエンドからイベントと属性を1つのストリームに集めます。
- 統合:それらのシグナルを、デバイスやチャネルをまたいで顧客1人につき1つのプロファイルにまとめます。
- 活用:統合したプロファイルを、実際にメッセージを送るツールへ渡します。
CDPとCEP:押さえるべき違い
多くのベンダーのページがぼかしている違いがあります。CDPはデータ層です。カスタマーエンゲージメントプラットフォーム(CEP)は活用の層で、ジャーニーを組み立ててメールを送るものです。CDPは統合し、CEPは実行します。両者は同じ課題の半分ずつを解決します。だからこそ、両方が必要かどうかは、エンゲージメントプラットフォームがすでにどこまでこなしているかで決まります。
| 観点 | CDP | CEP |
|---|---|---|
| 主な仕事 | 顧客データの収集と統合 | データの活用(メッセージの送信) |
| 受け持つもの | プロファイルとID | チャネルとジャーニー |
| アウトプット | 整った共有プロファイル | メール、SMS、プッシュ通知、アプリ内メッセージ |
| 情報源 | 接続したすべてのツール | 自身のチャネル |
| 困りごとが表れるとき | データが複数のツールに散らばっている | キャンペーンを出せない |
CDPがまだ不要なのはどんなとき?
率直な目安を示します。法則ではなく判断の問題です。プロファイルがおよそ50,000件未満で、1つのプラットフォームで施策を実行しているなら、独立したCDPはたいてい過剰です。1つのエンゲージメントプラットフォームが、すでにプロファイルを保存し、イベントを取り込み、セグメントをつくっています。イベントのたびに再計算される動的セグメントも含めてです。突き合わせる2つ目のシステムがないので、CDPが統合するものもありません。CDPを足すと、存在しないツール間でデータを動かすために費用を払うことになります。
- 顧客データがすべて、すでに1つのエンゲージメントプラットフォームにあります。
- 連携していない5つのツールではなく、1組のチャネルで施策を実行しています。
- プロファイル数が数百万件ではなく数千件の規模です。
- 2つのシステムを手作業でつなぎ合わせている人がチームにいません。
CDPが真価を発揮するのはどんなとき?
CDPが元を取り始めるのは、データが本当に散らばっているときです。プロダクトのデータベース、サポートツール、課金システム、分析用のデータウェアハウス、そして3つのメッセージングツールが、それぞれ顧客の一部分だけを持っている状態を想像してください。こうなると名寄せはチェックボックスではなく本物のエンジニアリングの課題になり、すべてのツールが参照する中央のデータ層は、費用以上の節約をもたらします。規模がこれを増幅します。数百万件のプロファイルと大量のイベントがあれば、専用のデータ層は、汎用のエンゲージメントプラットフォームが想定していない処理をこなします。
- 連携していない多くのツールが、それぞれ顧客レコードの一部を持っています。
- 名寄せがシステムをまたいでいます。同じ人物が、3つのIDで5か所に現れます。
- 規模が本物です。数百万件のプロファイルと、高いイベントスループットがあります。
- 1つのマーケティングチームではなく、複数のチームが同じ管理されたプロファイルを必要としています。
CDPはSegmentの代わりにすぎないのでは?
「CDPが必要だ」という声の多くは、実は「顧客データを、すぐに施策に使える場所に置きたい」という意味です。Segmentのようなツールは、収集とルーティングの半分、つまりイベントをほかのシステムへ流す配管で名を上げました。問題は、配管だけではメールが1通も送れないことです。本当に欲しいのが活用、つまりジャーニーを起動するセグメントと、メッセージを送るジャーニーなら、データパイプラインは仕事の半分にすぎず、残りの半分をこなすプラットフォームが別に必要です。多くの小さなチームにとっては、活用するプラットフォームを買うほうが近道です。
セルフホスト型のエンゲージメントプラットフォームで同じ範囲をカバーする方法
現代のエンゲージメントプラットフォームは、プロファイルの保持、イベントの取り込み、セグメントの計算を1か所で行います。CDPがするはずの収集と統合の仕事を、メッセージを送るのと同じシステムでこなしているわけです。これをセルフホストすれば、後付けのCDPではめったに得られないものがもう1つ手に入ります。第三者を挟まず、自社のデータベースで顧客データを完全に自社で所有できることです。選択肢をもっと広く知りたい場合は、スタートアップ向けエンゲージメントプラットフォームのまとめをご覧ください。セルフホストが必須条件なら、オープンソースのMAツールのまとめは自社インフラで動かせるプラットフォームだけを扱っています。fromHelloはこの形をとっています。プロファイル、イベント、セグメントがチャネルのすぐ横にあるため、規模が求めるまで、別のデータ層を買う必要はありません。